テレビを消すと、
静寂が突然訪れます。
静寂は弱々しい無のような存在ではなく、
たくましい山のように堂々とした存在です。
演奏会では、壮大な曲がフィナーレを迎え、
音が鳴りやんだあとも、
ホール全体に音が響きます。
静寂の音楽が演奏を始めたのです。
残念ながら、町の中では静寂の音楽は聞こえません。
太古の昔から生きつづけてきた
静寂をよみがえらせましょう。
テレビはつけっぱなしにせずに
食事や勉強のときは消して、
静寂を思う存分楽しんでください。
すると家族の語らいや息づかいが聞こえてきます。
実に心地よい空間と時間です。
休みの日は外に出て
風の音や鳥のさえずりを聞きながら
静寂の広がりを体で感じてください。
静寂があるからこそ
自然の素晴らしさを感じることができるのです。
さわがしい雰囲気の中では、
どんなに美しい風景を見ても感動しません。
静寂は、自然を包みこむ偉大な存在であり、
人間らしく生きるためにはなくてはならないものです。
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