この国の未来がどうなるのか、多くの人が不安に感じています。この世の中を良くするには、どうしたらよいのでしょうか。私たち1人ひとりが立ち上がり、社会を良くするために、積極的に行動することが求められています。
私たちの教室は、幕末の山口県萩の吉田松陰の「松下村塾」をお手本にしています。身分に関係なく、高い志を持つ若者が学び合った松下村塾。どう生きるべきか、日本はどうあるべきかを語り合いながら、寝る暇も惜しんで勉強しました。
吉田松陰が教えたのはわずか2年半でしたが、松陰の志を受けついだ人々によって、日本の新しい時代がつくられました。
幼児期は、自立に向けて一歩一歩人間の基礎を作る時期です。この時期から自分で考え、自分で行動し、自分の行動に責任を持つことを学びながら、たくましく生きぬく力を身につけていきます。学んだことを知識にとどめず、実行に移す― これが吉田松陰の哲学でした。この松陰の教えは、現代でも全く色あせていません。今でも十分通用します。そして持っている知識を社会のために役立てる方法を学ぶ生きた学問が、今ほど必要な時はありません。人として生まれた我々が人としてどうあるべきか、何をなすべきかを、子どもたちとともに学んでまいります。
■達成目標
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自分から挨拶ができ、人に頼らず自分のことは自分でする。 |
A |
自分から積極的に話しかけたり、自分の思っていることを人に正確に伝え、誰とでも仲よくできる。 |
B |
人の話をしっかりと聞き、物をしっかりと見て、じっくりと考える習慣を身につける。 |
C |
何事にも一生懸命取り組み、はつらつと行動し、集団の中でも自分の良さを発揮できる。 |
D |
生活に必要な技術や感覚を身につけ、生活の中でも創意工夫ができる。 |
E |
人に優しく、思いやりのある行動ができる。 |
F |
社会に目を向け、志を高く持つ。 |
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■指導方針
@「自分の頭で考え、自分から行動できる自立した子どもを育てる」
私たちの教室では工作を重視した指導を行っていますが、「自分の頭で考え、自分から行動できる自立した子どもを育てる」というのは、工作や物を創り出す時の基本的な考え方と一致します。自らが主体となって工作をする過程は、自らの人生を生き抜く姿勢と似ています。
子どもは、多くの体験から技術や知識を習得して、積み重ねることで、それを自信や輝きに変えていきます。工作を中心とした数々の体験を通して、未来を生き抜く力を身につけ、「努力することが楽しい、考えることが楽しい、創り出すことが楽しい」と思える子どもの育成をめざします。 |
A「人に優しく、遊びが得意な子を育てる」
自分さえ良ければという自己中心の時代の中で、なくてはならない能力が、EQ(心の知能指数・ダニエル・ゴールマンが提唱したEQの三大能力―挫折を克服する能力、感情をコントロールする能力、他人と協調する能力)です。人間性や社会性などのEQがなければ、学力は真価を発揮することが出来ません。入試では、他のお友達の作ったものをこわしたり、グループの輪の中に入れないなどの事例が多くあります。自分から友達の輪の中にとびこんでいくだけの積極性と明るさを持っている子、人への思いやりや優しさを持っている子、すなわち心の成長度(EQ)の高い子を学校は求めています。「人に優しく、遊びが得意な子」が、これからの時代に最もふさわしい子となるでしょう。将来世界中の様々な人たちと触れ合い、お互いのことを理解しあう時に、相手を思いやる心、明るい笑顔は大きな力を発揮します。 |
B「子どもたちの欠点を見つけて直すよりも、子どもたちの長所を見つけて、
積極的にほめて伸ばす」
私たちは創立以来、子どもの欠点を見つけ直すよりも、むしろ子どもたちの長所を見つけ、積極的にほめて伸ばすことをこころがけています。
工作では画一的な指導を避け、1人ひとりの性格、力量に合わせた個別指導が基本です。ペーパー学習でも、具体物教材を使った「楽しくて、わかりやすい授業」をめざしています。子どもたちは、初めから授業が理解できるわけではありません。月齢も環境も1人ひとり大きく異なります。理解が早い子もいれば、理解が遅い子もいます。活発な子もいれば、おとなしい子もいます。チャイルドはあるがままを受け入れ、本人の学習意欲を伸ばすことからはじめます。それぞれの生徒の課題や目的が達成できた時には積極的にほめることで、子どもたちが自信を身につけ、クラス全体が生き生きとしてきます。 |